前回の記事でフォーマットが大切という解説をしましたのでこのパートでは私が実際に運用・指導していたフォーマットとPDCAの関係を解説したいと思います。
記事の内容- フォーマットの目的とメリット
- フォーマットとPDCAの関係
- フォーマットを運用した1日の流れ
フォーマットの種類もたくさんありますが、このパートではPDCAに関係するものを中心に解説してきたいと思います。
実際に私が使用していたものです!
フォーマットの目的とメリット
フォーマットの目的
マネジメントの基盤としてPDCAサイクルが重要ということを解説させていただきました。
しかしこのPDCAサイクルの継続は難しく途中で止まってしまいがちです。
とくにアルバイト中心で社員不在の店舗はより継続が難しい場合が多いです。
継続できない主な原因とは?
それは仕組み化できていないからだと思います。
仕組み化とは仕事を効率的且つ、いつ誰が行っても同じ成果を出せることです。
つまりここで解説するフォーマットの目的はPDCAサイクルの仕組み化です。
PDCAの各項目をフォーマットに当てはめ運用していくことで、自ずとPDCAサイクルを回すことができる仕組みを作ろうということです。
あの店舗には社員がいないからしょうがない…とあきらめるのではなく、
PDCAサイクルの仕組み化でマネジメントレベルを維持しよう!
フォーマットのメリット
色々あると思いますが先に解説したようにフォーマットがPDCAを仕組み化するものであれば、フォーマットの質を高めればPDCAの精度があがり、結果としてマネジメントの改善が見込めると思います。
フォーマットの質とは
・解かりやすく続けやすいフォームであるかという道具としての質
・必要な情報が記入され正しく使用されているかという運用方法の質
大きな組織であれば難しいところですがフォーマットはアップデートしていくものと考えています。
状況に合わせて常に機能的であることが重要です。
他にも自店の振り返り、スーパーバイザーとして多店を指導をする際なども、良い悪い原因をフォーマットの運用状況から読み取れます。
例えば
お客様が多く来店し機会損失が発生
そこでプランに関わるフォーマットを見てみると店の近くでお祭りが行われていることが書かれておらず通常と同じ体制で営業していた。
一例ですがPDCAサイクルのどこに問題があったのかフォーマットで可視化をすることで発見しやすくなります。
フォーマットとPDCAの関係
各企業、各店舗に様々なフォーマットがあると思います。
ここでは私が運用していたPDCAに関する主なフォーマットを解説したいと思います。
Plan
・3か月計画 ・月次計画 ・週次計画 ・シフト表 ・朝礼フォーマット ・デイリープラン
Do
・ハウススール
Check
・時間別進捗 ・予算実績表
Act
・月報 ・週報 ・日報
沢山ありますね。
解説に入る前に確認ですがPDCAサイクルには期間があります。
サイクルというから当然ですよね。
全てを解説するとごちゃごちゃになりますのでここではサイクルを1日として解説したいと思います。
1日のPDCAサイクルイメージ
イメージ図を作ってみました。
解りやすいように1周を1日としています。
CheckのところからPlanに矢印が伸びでいますがこれはOODA(ウーダ)という考え方と近いです。
つまり1日の流れの中でも状況や進捗を観察し行動を修正するということです。
例えば15時で売上を集計した際に予定していた予算に届いていないとします、そのまま計画通りに過ごしてしまったら1日が終わったときに予算未達成になる可能性があります。
逆に予算を超えていた場合は機会損失の対応や売上を伸ばす行動に移れます。
PDCAは自分の計画から入るのに対してOODAは対象の観察から入ります。
PDCAの弱点としては計画から入るため準備(時間)が必要で、今現場で起きている状況に臨機応変に対応できないところです。
ざっくりOODAとは
①Observe(観察)②Orient(状況判断、方向づけ)③Decide(意思決定)④Act(行動)
の英単語の頭文字をとった造語だそうです。
このサイクルを早く回転させることで意思決定を迅速化し状況に適した行動修正が可能となる。
アメリカの空軍戦術を発祥とした考え方とのことですが納得できますね。
※いつかOODAについても解説したいと思います
脱線してしまいましたがフォーマットについて解説したいと思います。
フォーマットを運用した1日の流れ
前項の図にある1日の流れを解説したいと思います。
実際に使用していたフォーマットなどは会社の関係もあり直接は載せられませんのでこのパートではフォーマットの記載内容と要点をさくっと解説したいと思います。
諸々のフォーマットについての詳細については別のパートでもう少し具体的に解説したいと思います。
OPEN前~ 【Plan】
1日の始まりは朝礼からスタートします。
朝礼フォーマットの内容
・昨日の実績
・昨日までの進捗状況
・当日の予算(時間別予算)
・社員の出席状況
・伝達事項
&PEP TALK
朝礼フォーマットとは昨日までの振り返りや当日の計画、連絡事項などをまとめたものになります。
計画とのGAPがある場合は昨日のActから修正可能な計画は是正します。
私は営業中は冗談を交えながら従業員と一緒に実践するタイプでしたが朝礼の入りは厳しめにしていました。
理由は気持ちの切り替えの為です。
組織の一員としてスタッフ全員に目標意識を持ってもらうためです。
朝礼の締めは前日に頑張ったスタッフがいれば褒めてあげたり、PEP TALK的なことを意識していました。
※PEP TALKとはスポーツの現場で用いられる叱咤激励です。いくぞ!みたいな笑
デイリープランの内容
・1日の稼働計画を帯状に表示
・必要な作業や休憩を記載
・時間別進捗を記入
デイリープランとは当日の稼働計画を帯状に記したフォーマットです。
デイリープランについてはスタッフと何度もアップデートした記憶があります。
シフトやデイリープランは収支に関わる重要なものの一つなので、足したり削ったり試行錯誤を繰り返していました。
先に紹介したOODAの考え方も反映したりと苦労した思い出があります。
最終的には朝礼フォーマットと合体したような内容に落ち着きました。
営業時間中~ 【Do/OODA】
ハウスルールの内容
・自社、自店のルール
ハウスルールとは自社、自店ルールです。
行動だったり身だしなみなどのあるべき姿を簡潔にまとめます。
ハウスルールは休憩所などスタッフの目に入る場所に掲示します。
ルールの共有の為ですが他にもメリットがあります。
それはスタッフを注意する際です。
社員でも古くからいるスタッフに強く言えない方もいると思いますがハウスルールとして掲示し、さらに朝礼などで念押ししていれば「〇〇さんハウスルール守ってください」と言えば初回はいけるはずです。(効かない方もいますが笑)
ハウスルールを守って業務を実行する。
営業中はお客様、従業員、売場、設備を観察することが重要です。
とくに売上は数値で観察できるものなで定時で観察・記録しOODAに沿って行動します。
閉店後~ 【Check/Act】
日報の内容
・実績/進捗
・気づき/振り返り
・原因分析/判断
・修正可能な計画
日報は日記のようなもので一日の成果をまとめたものです。
情報のアウトプットです。
予算に対して実績はどうだったのか、計画通りに行動できたのか、達成未達成の原因や気づきなどを記入し情報を整理します。
数字からの分析も大切ですが気づきなどふと思ったことを書き留めることも重要です。
自分だけでなく終礼時にスタッフからも気づきをしっかり聞きましょう。
整理した情報をもとに明日の計画の判断をします。
修正可能且つ成果に結びつく行動があるのか?このままで問題ないか?
最終的に明日の朝礼フォーマットに落とし込みます。
書式によっては直接朝礼フォーマットに落とし込んでもいいのかと思います。
フォーマットが多いとPDCAサイクルが回らない原因にもなりますので。
日報は後に週報や月報などをまとめる際のツールになりますので簡単でも構わないので毎日続けることが大切です。
今回のまとめ
- PDCAサイクルをフォーマットを使って仕組み化する
- 仕組み化とは仕事を効率的且つ、いつ誰が行っても同じ成果を出せること
- PDCAサイクルには期間がある
- PDCAをフォーマットに当てはめる
いかがだったでしょうか。
今回はフォーマットの目的と運用例をざっくり解説してみました。
次回は各フォーマットをもう少し深堀してみたいと思います!